アキバを歩いてたら40万円の版画を売られそうになった話
どうも、ヤマキです。
親しみやすい見た目をしているのか、しょっちゅう人に道聞かれたり変な営業に声を掛けられたりするタイプなんですが、先日アキバを歩いてたら40万円の版画を買わされそうになったので振り返ります。
「秋葉原 版画」でググったらすぐに絵画詐欺を意味するスラングの「エウリアン」って言うワードも出てきたので、あの辺で絵画でのボッタクリって有名なんやな〜と後になって知りました。
結果的には1円も払わずに済んだんですが、1時間半も商談されて普通にウザかったのでマジで気を付けたほうが良いです。
それでは振り返ります。
・僕はラーメンが食べたかった
それはラーメン屋に向かう途中の出来事でした。
「田中そば美味いから行っとけよ」
と、秋葉原のゲストハウスで出会った名前も知らんおっさんに田中そばを勧められた僕は、「田中そば店 秋葉原店」に向かっていました。
「ラーメン屋まであと2、3分か~」
といった場所で事は起こりました。
場所でいうとだいたいこの辺です。
道でビラを配っている女性と遭遇し、
普通に無視してラーメン屋に向かおうとしたところ
「すみません!ちょっと目が合ったので声掛けさせてもらいました!」
と声をかけられ、
「はぁ」と立ち止まるとビラを渡されました。
「版画の展示をやってるんですけど、良かったらちょっと見て行かれませんか?」
と声をかけられ、良くも悪くもノリの良い陰キャなので「まあちょっとだけなら…」
と入店しました。
結果的に1時間半持って行かれたので、マジで辞めとけば良かったな…と思う反面、ネタの方から飛び込んできてくれたことに関しては良かったです。
・入店から怪しい
「こちらにお名前と住所と電話番号を書いていただけますか?」
とビラを渡してきた女性(Aとします)に声をかけられ
普通に不審に思ったので
「名前はともかくとして、住所とか書かんとダメなんですか?」
と聞くと
「そういう決まりになっておりまして…特にDMを送ったり電話をかけることはないので安心してください!」とA。
「そういうもんなんすね~まあいっか」
と、とりあえず偽名と嘘の住所とテキトーな番号を書きました。
「それではご案内させていただきますね」
と言われ、Aに店の2階部分に案内されました。
この時にAについて行くとマジでめんどくさいことになるので、「名前を…」の段階で拒否して帰ることをオススメします。
・2階部分へ
「こちらに飾っているものは全て版画なんです!版画というと白黒のイメージを持たれているかと思いますが、実はこういったカラフルなものもありまして~」
とAに説明され、
なめとんか
と内心思いながらも
「へぇ~そうなんすね~」
とテキトーに流していました。
版画は確か十数点展示されており、風景画が多かったです。
「ふ~ん、へぇ~」とAの話をテキトーに聞きながら絵の値段を見ると90万円を超えており、思わず「おお…」と声が出ると
「だいたい皆さん同じような反応をされます」
とのこと。そりゃあそうでしょうね。
一通り絵を見終わると
「これは皆さんに同じ質問をしているんですが、もしもこの部屋にある絵の中で、1つだけ欲しいとしたらどれを選びますか?」
と質問され
「ああ、これっすね」
と0.5秒で答えたところ
「はやっ!!!!」
と驚かれ、「ええ!?どうしたんですか!?」
と1階から突然キレイなお姉さんが乱入してきました。
このお姉さんをBとします。
・選んだ絵の話
ちなみにこの時選んだ絵はニッサン・インゲルという人の『トスカーナ』という作品でした。
このギャラリーでは約40万円で売られていましたが、ググったら10万円を割った価格で出てきたのは後の話です。
このサイトもこのサイトでちゃんとしたところか?っていうと何とも言えないので、どれくらいの価値がある絵なのか?っていうと正直よくわからないです。
まあヤフオクをざっと見た感じ10万円以上で売ってたら普通にボッタクリなのかな~っていう気はします。
べつに高ければ良い絵っていうわけでもなくて、買った本人が満足できるならそれは価値がある買い物なんじゃないかな~とは思いますがボッタクリは話が違う。作者に還元せえ。
ズレてきたので戻ります。
なお、この時点での僕はこのレベルでのボッタクリ価格とは知らなかったので「まあ40万円なら40万円なんやろな~。要らんけど。」という感じで話を聞いていました。普通に絵自体はマジの版画だったので。
普通の風景画が並ぶなかでこれだけ異質だったので、「買うとしたらこれかな」と0.5秒で決めたところまでもマジの感想です。要らんかったけど。
という認識で読んでもらえたらと思います。
・熱く語るB
「え~!?インゲル先生を選んだんですか!?私インゲル先生大好きなんですよ!!」
と熱く語り始めるキレイなお姉さんB。
お察しの通り、このあと怒涛の商談に遭ってめちゃくちゃに時間を奪われるので、中に入ってしまって「買うとしたら?」と聞かれてしまったら「いや~決めきれないっすね~」つってその場を立ち去るか、「〇※▽●■◎~!!!!!」みたいな感じで突然日本語がわからなくなる人としてその場を立ち去るのが賢明な判断かと思います。
まあ僕は引っかかってしまったのでそのまま1時間半を奪われたんですけどね。
「絵って見かたがあるんですよぉ~。そこにお掛けください!」
と、絵の位置を調整し、椅子をセッティングするB。
とりあえず座って絵を眺める僕。
「欲しくなったらいつでも右手を挙げてくださいね!」
と言われ、軽いジョークかな、はは、ぐらいな感じで聞いていたんですが、今思い返すとガチで右手を挙げていたらどうなっていたかわからないです。
「インゲル先生の絵を選ばれる方って珍しいんですよ!どうして選ばれたんですか?」
「風景画ばっかりな中でこれだけ異質だったので。あと色味」
「へぇ~!だいたいの方って風景画を選ばれるんですよ!もしかして変わった方って言われますか?」
うるせえシバくぞという言葉を飲み込みながら
「あ~そうなんですね、そうかもしれないですね」と流す。
初対面の人に「お前、変人?」と尋ねられる貴重な経験をしました。
純粋に営業としてどうなんや…?
「インゲル先生はイスラエルの出身なんですが、フルートの演奏家でもあって、パリに移り住んで…」
と延々と語るB。
「あ~、推しを語るオタクって客観的に見たらこんな感じなんかな…」
という気付きも得つつ、反省できた点は良かったです。
「絵を買った人生ってどうなると思いますか?想像してみてください。
まず、この絵に合わせて部屋の内装を変えたくなりますよね?
仮にこの絵を買ったら部屋のカーテンの色は何色にしますか?」
と語りかけるB。
なんぼ金かかんねん
てか絵に支配される部屋ってなに?
と思いながらも
「まあ青っすよね」
と話半分に返す僕。
「家庭ができて子供ができた時を想像してみてください。
一家の家宝として子供さん、お孫さんまで代々続くのって素敵だと思いませんか?」
と聞かれて
「子供おったら知らん人の絵よりも子供の絵を飾りたいなあ…」
と想像して無駄にダメージを負う僕。
「実はインゲル先生ってすでに亡くなっていて、この絵もすごく貴重なもので、今買い逃すと二度と買えなくなるかもしれないんですよね…」
と語りかけるB。
べつに買い逃しても困らんな…と思いながらも
「いや~今ちょっと留学資金貯めてて…仕事も辞めるし…」
とかわす僕。
ちなみに留学資金貯めてるのと無職になるのはガチです。
まあこんな感じで延々と話されて、今どれぐらい時間たったんや…と思ってギャラリーの時計を見たらなんか止まってるんすよ。
実際に体験したから言えるんですけど、謎の空間でそこそこな時間が経つと「いつまで拘束されるんや…?」という恐怖心が生まれるので、意思が弱い人ならここで買わされてるんかな~と思うとゾッとしますね。
仕方なくBの腕時計をチラ見すると12時過ぎ。入店したのは11時前だったので1時間以上は経っている。
「ちょっともうそろそろ…」と席を立つと
「なんでですか!!!」
と食い下がるB。
そもそもわしはラーメン屋に行こうとしてたんじゃ!!!
普通に腹減っとんじゃ!!!
という内容を、まあさすがに社会人なので丁寧に伝えると
「どこのラーメン屋ですか」
「田中そばですね」
「あそこのラーメン屋この時間帯混んでますよ」
ぶちのめすぞ!!!!!!
本来なら食い終わっとるんじゃ!!!!
という感情を抱えながら、無理やり立ち去ろうとすると
「待ってください!!お土産だけでも!!
私頑張ったので!!!」
と食い下がるB。
いや頑張ったってなんやねん!
バイトでもそんなこと客に言わんぞ!!
「絵のレプリカとか!画集とか!ほら、眼鏡かけてるなら眼鏡拭きもあります!」
と、写真立てサイズで3,300円するレプリカや、値段のわからない画集や、1,000円もする上にクソダサい眼鏡拭きを紹介されて
「大丈夫です、なんかすみません…」
といって店を去りました。
ヤクザとかが出てこなくて本当によかったです。
・余談
ちなみに冒頭で配られたビラは裏面にクーリングオフとかの話が書かれているんですが、
肝心のお問い合わせ先が空欄になっていたりするので、普通にヤバいところだったんだと思います。
まあ検索かけたら店名わかったんですが、べつに金銭的な被害に遭ったりもしていないし、あえて晒したりしてめんどくさいことになるのもイヤなので公開は差し控えておきます。
とりあえずあの辺でビラを配られて「版画見ませんか?」って聞かれたら毅然として断るのが1番良いよ、ってことだけを覚えていてもらえたらと。
ちなみに田中そばはめちゃくちゃ美味かったです。
毎日食べても飽きない系のラーメンで、お世辞抜きで「また行きてえな…」ってなりました。
エウリアンには遭遇したくないけど。
という感じで、
ここまで読んでいただきありがとうございました!
ほなまたね!!!!!